2013年 05月 14日

五山の送り火

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まだ小さかった頃、8月16日の夜8時が近付くと、家中の明かりをすべて消して急ぎ足で近くのマンションの屋上まで行き、
兄と一緒に炎によって浮かび上がった「大」の字を見てはしゃいでいました。
一つのイベントごとのようにとらえていた大きな「大」の字は、物が分かるようになった頃、
お盆の間にお迎えしていたご先祖様を五山の送り火によってあの世にお送りしているのだと、誰かにそっと教わりました。
それ以来ずっと、ご先祖様が無事にあの世に戻れるようにとお祈りしながら送り火を見届けています。
五山の送り火が一般に広く行われるようになったのは、仏教が庶民の間に深く浸透した室町時代以降であるといわれています。
その起源には、平安初期に空海が始めたという説や、室町中期に足利義政が始めたという説や、
江戸初期に近衛信尹によって始まったとする説など諸説ありますが、まだ確かな記録は残っていないそうです。
夜の8時が近付くとだんだんと家の明かりが消えていき、普段より暗い京都の町に夜8時、大文字にぽっと火が灯されます。
松ヶ崎妙法、船形万燈籠、左大文字、鳥居形松明と西へ西へと順次点火されていきます。
前日の正午頃からは銀閣寺門前で護摩木の受付が始まり、護摩木に亡くなった人の名前や願いごとを書いて送り火で供養します。
杯やお盆に大文字の「大」を写して飲むと無病息災や中風にならない、
大文字の送り火の消し炭を戸口に吊っておくと家内安全のお守りになる、などという言い伝えもあります。




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by sucrecuit | 2013-05-14 21:24 | KYOTO/ 京都に暮らす


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