十日えびす ―京都えびす神社―

四条通りからおいしいにおいに誘われて、露店の立ち並ぶ大和大路通りを南に下がります。
人の波をくぐり抜けて見えてくるのは、たくさんの人で賑わう京都えびす神社。
京都えびす神社は西宮・大阪今宮神社と並んで日本三大えびすと言われ、京都の人々から「えべっさん」の名で親しまれています。
毎年十日えびすの時期は一年で最も参拝客が多くなる日。祭りは1月8日から12日の5日間行われます。
7日と8日は東映太秦映画村による宝恵かご社参があり、東映の女優さんが松竹梅と紅白に飾ったかごに乗り
「ほえかご、ほい」という掛け声の中神社に参拝します。
10日には東映の女優さんが福笹を授与してくれます。その後ろで福笹奉納の舞を踊る巫女さんにも目が奪われます。
この福笹は京都えびす神社が始めたもので「節目正しく真っ直ぐに伸び」「弾力があり折れない」
「葉が落ちず常に青々と繁る」という特徴から商売繁盛の縁起物になったそうです。
福笹に自分好みの熊手、打出小槌、鯛、福俵、福箕、宝船などの縁起物を付け、今年一年お商売がうまくいくことを祈願します。
十日えびす以外の時期は、本殿でお参りをする際、耳の遠いえべっさんにちゃんと自分の願い事をきいてもらうよう
本殿横の板を叩いて「えべっさーん、聞こえますかー！？」と大きな声を出してお参りをします。
また、鳥居の上部に掲げられているえべっさんの福箕にお賽銭を投げ入れ
見事それが福箕の中に入ると願い事が叶うとも言われています。