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2013年 05月 20日

都をどり

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「都をどりは ヨーイヤァサー」


「ヨーイヤァサー」という独特の黄色いかけ声とともに芸舞妓さんたちが次々に花道に現れ、
このかけ声を待っていましたと言わんばかりに祇園甲部歌舞練場は一瞬の間静まり返ります。
お囃子の音色にふわっと包まれ、芸舞妓さんの艶やかな衣装に目が釘付けになって、
しばし現実の世界を忘れて都をどりの世界の中に体ごと入りこんでしまいます。
祇園甲部歌舞練場で繰り広げられる都をどりは、鴨川をどりや京おどり、北野をどりと共に京都の花街の踊りのひとつとして
京都に春の訪れをつげる風物詩となっています。
都をどりの始まりは、明治5年に京都の町の伝統を守りつつも新しい近代都市をつくろうとする志みで開かれた
第一回京都博覧会の余興として企画されたのがはじまりです。
博覧会の集客をうながすために、江戸後期に始まる京都の座敷舞の一流派である京舞井上流の三代目、井上八千代などにより、
お座敷舞ではなく集団としての「舞」である都をどりが創作されました。
この京都博覧会での公演が評判を呼び、翌年の明治6年には花見小路の西側に新設された歌舞練場で第二回都をどりが開催され、
以後毎年春に開催されることになりました。これにより井上流は祇園町の舞の師匠としての地位を確立したそうです。
「茶券付特等観覧券」を購入すれば、舞台の前にお茶席で芸舞妓さんによるお点前を披露していただけ、
お菓子とお抹茶を楽しめます。この時お菓子と一緒に配られる「団子皿」に描かれているのは、提灯つなぎ模様。
この絵柄は、明治天皇が東京に移られる際に京都の人々が提灯を掲げて見送ったことにちなむそうです。
色は赤・白・緑・青・茶の五種類で、何色の団子皿がもらえるかは当日のお楽しみです。
「さて、今年の団子皿は何色かしら。」




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お茶席を待つ間は桜の咲くお庭を眺めます。今年の私の団子皿は茶色でした。








by sucrecuit | 2013-05-20 09:55 | 京都に暮らす


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