
ロンドン郊外に住む友人宅に泊めてもらい、車でイギリスの南Brighton ブライトンまで。
のはずがEastbourne の海岸まで来てしまった。でも海があるということは間違いない。
Eastbourne で一時車を降りることにした。
聞くところによるとEastbourne はお年寄りが余生を過ごす場所であるという。
陽気な老人とたくさんすれ違ったのはそのせいだ。
Eastbourne のレストランで少し遅めのランチを取り、目指すはブライトン。

ブライトンに着いたのはもう日が沈むころだった。
沈み行く太陽は空一面を赤く染め、空を映しだす海面も赤く輝いていた。
砂浜では恋人たちがその神秘的な美しさの前で頬を赤く染めていることだろう。
赤い空の中で小さな三日月がそのすべてのありさまを見守っていた。
ロンドンっ子の友人が「ブライトンには絶対に一度は訪れたほうが良い。」と私に言ってくれた意味がすぐにわかった。
Brighton Pier の鮮やかなイルミネーションと電灯の灯りがより一層この町をロマンチックに演出していた。
ロンドンにもロマンチックな場所はいくつもあるけれど、これらの灯りを遮る物のない
ブライトンの町だからこそ素直にその演出を受け入れることができる。

Brighton Pier で買ったソフトクリームを食べながら、そんなロマンチックな夜景を見ている。
ブライトンの大人びた夜景の中で、子供のようにソフトクリームを食べる自分の姿を想像したら
なんだかおもしろくなった。
ブライトンの夜景には砂浜に座りながらワインを飲む方がしっくりくるのかもしれない。
日の光が完全に海の下に沈むころになると、海から吹く風は冷たさを増した。
光り輝くBrighton Pier のイルミネーションを背に、深い夜が訪れる前に私たちはロンドンに向かった。
