「天空の城ラピュタ」のモデルとなったことを知ってから、憧れの場所となったゴルドの地へ。
小高い丘の上に石造りの建物がスパイラル状に丘の頂上に向かって折り重なっていて
村全体がまるでひとつの城のように浮かび上がっている。それは驚くほど幻想的な光景だった。
その光景を見た瞬間、あわてて車を降りた。
ゴルドの村を見下ろすことのできるその場所は、大きな岩ののった崖の上。
早く村の中に入りたいという自分の衝動を抑えながら、崖から落ちてしまいそうなぐらい
私は身を乗り出して夢中で村の写真を撮っていた。
こんな光景を目にしたのは生まれて初めてのはずなのにどこか懐かしい気持ちにさせるゴルドの村。
フランスで最も美しい村と言われるのにも一目で納得できた。
しばらくその美しさに見とれていたら「天空の城ラピュタ」の世界に一気に迷い込んでしまったような感覚になる。
その美しさに見とれながら、今度は村の中を目指す。
村の中は驚くほど小さくて素朴で、親しみやすく、そして落ち着いた空気が流れていた。
「ボンジュール」と気さくに声をかけてくれる村の人たち。
ゴルドに住む人々はゆったりとした時間の中で暮らしている。
だから遠い国から来た私のことを、こんなに温かく迎えてくれたんだ。
毎週水曜日に立つマルシェは、とても小ぢんまりとしたもの。
マルシェのおじさんが「この前リル・シュル・ラ・ソルグのマルシェで見かけたよ」と私に話しかけてくれた。
おじさんは日本に何回か来たことがあるらしく、「こんにちは」と日本語であいさつをしてくれた。
マルシェの人たちと昔からの顔なじみのように仲良くなれるのが、小さなマルシェの魅力。